福祉用具は、介護を受ける方の生活を支えるための大切なアイテムです。しかし、どのような用具があるのか、どのように選ぶべきかについては知識が不足しがちです。この記事では、福祉用具の基本とその選び方について詳しく解説します。

福祉用具とは何?どんなものがあるの?

福祉用具とは、高齢者や障害者が日常生活をより快適に過ごすために使う道具や機器のことです。例えば、以下のようなものがあります。
- 歩行補助具:杖や歩行器、手すりなど、歩行を助けるための器具。
- 移動用具:車椅子や電動カートなど、移動をサポートする器具。
- 入浴用具:浴槽に入るのを助ける椅子や、滑り止めマットなど。
- 寝具:介護用ベッドやクッションなど、寝るときの快適さを提供するもの。
- 食事用具:持ちやすいスプーンやフォークなど、食事をしやすくするための道具。
杖
体のふらつきを支え安定した歩行をサポートします。
役割
①痛みや麻痺側の足にかかる体重を和らげます
②バランスのサポート
③安心感
使い方

①長さは杖を握ったときに、肘が軽くまがる位置か、握った手が腰より少し下(大腿骨大転子)足の付け根にくるように調整します。
②健側の手(動く足側)で杖を握る
③杖をだし、つぎに患側の足(痛い側、麻痺側)をだして、最後に健側(動く足)の足を出して歩く
杖の種類



上記以外にも様々な杖があります。
歩行器

杖と同様に歩行を支援するものです。杖歩行の前の訓練などに使用されます。
歩行器の種類
- 固定型歩行器
- 交互型歩行器
- 歩行車
- シルバーカー



車椅子

車椅子は、歩けない人や歩くことが困難な人が使用する福祉用具です。自力で移動することが困難な人に外出機会を増やし、社会との関わりをとっていく点において重要な役割を持っています。
車椅子の種類
- 標準型車椅子
- 自走用車椅子
- リクライニング式車椅子
- ティルト&リクライニング式車椅子
- 六輪車椅子
- 標準型電動車椅子
- ハンドル形電動車椅子



入浴用具

安全に入浴するために、本人の動作に合わせて用具を使用します。
入浴用具の種類
- 入浴用椅子
- 浴槽用手すり
- 浴槽内椅子
- 入浴台
- 浴室内すのこ
- 浴槽内すのこ
- 入浴用リフト
介護用ベッド

起き上がりの動作をサポートしたり、車椅子への移乗を補助する機能を持っています。介助者の負担軽減にもつながります。また、褥瘡予防のマットレスを使用することもできます。
介護用ベッドの付属用品
- マットレス
- 介助バー
- センサーマット
ポータブルトイレ
トイレに行くのが難しい方でも、室内で排泄できるようにするための道具です。

福祉用具の選び方

福祉用具を選ぶ際には、ご本人の身体状況や生活環境をよく考慮することが大切です。
以下のポイントを参考にしてください。
1.ケアを受ける方のニーズを理解する
ご本人がどのような支援を必要としているのかを把握します。例えば、歩行が困難な場合には歩行器や車椅子、寝たきりの方には介護ベッドが必要になります。
2. 専門家に相談する
ケアマネージャーや福祉用具専門相談員に相談することで、適切な道具を選べます。また、試用できる場合もあるため、実際に使ってみてから決めることをおすすめします。
3. 住環境に合ったものを選ぶ
住宅のスペースや段差などを考慮して選ぶことが重要です。例えば、狭い廊下では小回りのきく車椅子が便利です。
福祉用具を活用する際のポイント
福祉用具を効果的に活用するには、いくつかのポイントがあります。
1. 適切な使用方法を守る
取扱説明書をよく読み、正しい使い方を習得しましょう。不適切な使い方は事故やケガの原因になる可能性があります。
2. 定期的なメンテナンス
福祉用具は長期間使用するものが多いため、定期的な点検や清掃が必要です。特に車椅子や介護ベッドなどの機械部分は故障を防ぐためにメンテナンスを怠らないようにしましょう。
3. レンタルを活用する
介護保険を利用すると、福祉用具をレンタルすることができます。購入前にレンタルで試してみるのも良い方法です。特に、ケアを受ける方の状況が変化する可能性がある場合は、レンタルの方が柔軟に対応できます。
福祉用具がもたらすメリット

福祉用具をうまく活用することで、ケアを受ける方と介護者双方に多くのメリットがあります。
まとめ

福祉用具は、ご本人の自立した生活を支え、介護者の負担を軽減する頼れるパートナーです。福祉用具といっても種類が様々です。適切な用具を選び、上手に活用することが重要になってきます。そうすることで、介護の質を大きく向上させることができます。ご本人に合った福祉用具を見つけるために、介護保険を利用したレンタルや専門家のアドバイスを積極的に活用することが大切です。
福祉用具の活用が、一人ひとりの笑顔につながることを願っています。