介護とは具体的にどのような技術が必要なのでしょうか?
介護技術を理解し、習得することは重要です。それぞれの項目は、実際の介護現場で必要となる基本的な技術です。完全に習得することは、時間がとてもかかりますが今自分に必要なこと、不足していることは何なのかを、把握することはとても重要です。
1. 基本的な移動・移乗の介助

- 体位交換: 寝たきりの方の褥瘡(床ずれ)を防ぐために、適切に体の向きを変える技術。
- 移乗介助: ベッドから車椅子、車椅子からトイレなど、安全に移動するための補助方法。
- 歩行補助: 杖や歩行器を使った歩行の支援、転倒を防ぐためのサポート。
2. 食事介助

- 食事の準備と提供: ケアを受ける方が食べやすい形状や温度に調整する。
- 摂食・嚥下の支援: 嚥下障害がある方への注意点や適切な食事介助方法を理解する。
- 誤嚥(ごえん)防止: 飲み込みやすい姿勢や環境の整備。
3. 排泄介助

- トイレ誘導: 自立を促すために、適切なタイミングでトイレに誘導する。
- おむつ交換: 皮膚の清潔と健康を保ちながら、快適におむつを交換する技術。
- ポータブルトイレの使用方法: 室内での排泄を安全かつ衛生的にサポートする。
4. 入浴介助

- 全身清拭: 入浴が難しい場合に温かいタオルで体を拭いて清潔を保つ方法。
- 入浴時の安全対策: 転倒を防ぐための入浴時のサポートや道具の使い方。
- 入浴後のケア: 乾燥や皮膚トラブルを防ぐための保湿や着替えのサポート。
5. 衣類の着脱介助

- 衣類選びのサポート: ご本人が動きやすく、季節に適した衣類を選ぶ。
- 着脱方法の工夫: 肢体不自由や痛みを感じる方に負担をかけず、スムーズに着替えを行う方法。
6. 健康管理と観察

- バイタルチェック: 体温、血圧、脈拍の測定と記録方法。
- 体調の観察: 顔色、食欲、行動の変化など、ケアを受ける方の健康状態の小さな変化に気づく。
- 感染症対策: 手洗い、消毒、マスク使用などの基本的な衛生管理。
7. コミュニケーション技術

- 傾聴と共感: ご本人の話をしっかり聞き、不安や希望に寄り添う姿勢。
- 言葉遣いと態度: 敬意を持った言葉と態度で接すること。
- 認知症の方への対応: 感情的にならず、安心感を与えるコミュニケーション方法。
8. 福祉用具の使い方

- 車椅子の操作: スムーズな移動と安全なブレーキ操作の習得。
- 介護ベッドの使用: 高さや角度の調整方法を理解する。
- リフトやスライディングボード: 重い介助を安全に行うための道具の使い方。
9. 事故防止の知識と対応
- 転倒予防: 家具配置の工夫や、床の滑りにくさを確認。
- 緊急時の対応: 転倒や誤嚥など急変があった場合の報告・応急処置。
- 火災や災害時の避難支援: ケアを受ける方を安全に避難させる方法を学ぶ。
10. 心理的サポート
- ケアを受ける方の心に寄り添う: 不安や孤独を軽減するための声かけや行動。
- 家族との連携: ケアを受ける方の情報を共有し、家族の不安を解消するコミュニケーション。
- 介護者自身のストレス管理: 長く介護を続けるために、自分の健康や精神面のケアも大切です。
初めての介護で大切なこと

介護技術はもちろん重要ですが、それ以上に「ご本人の尊厳を守る」という姿勢が求められます。介護者は、ご本人の人生を共に歩む伴走者です。「~してあげる」という視点ではなく、ご本人の立場に立ちながらサポートを行うことが大切です。一人ひとりに寄り添った対応を心がけることで、信頼関係が築かれます。
さらに、常に学ぶ姿勢を持ち、困ったときは周囲の人に相談しながらスキルを向上させる努力も欠かせません。これにより、より良いケアを提供できるようになります。