初めての口腔ケア|基本知識と実践ポイント

実践的なサポート

口腔ケアは、健康を維持するためにとても大切です。しかし、高齢者や要介護者の方は、自分でしっかりとケアするのが難しいことがあります。そのため、介護をする方が基本的な知識を身につけ、適切にサポートすることが重要です。

この記事では、口腔ケアの基本や実践方法、介護する際のポイントをわかりやすく説明します。初めて介護をする方でもすぐに実践できる内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。

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口腔ケアの重要性

口腔ケアとは? 

口腔ケアとは、歯や舌、口の中全体を清潔に保つためのケアのことです。歯磨きだけでなく、舌や頬の内側、入れ歯のケアなども含まれます。

口腔ケアが必要な理由

  • 誤嚥性肺炎の予防:口の中の細菌が誤って肺に入ると肺炎を引き起こすことがあります。
  • 口臭防止:口の中の細菌が増えると口臭の原因になります。
  • 食事の楽しみを維持:口の中を清潔に保つことで、味覚が正常に働き、食事を楽しめます。
  • 認知症予防:口腔内の健康を維持することで、認知症のリスクを軽減できる可能性があります。

口腔ケアを怠ることで起こるリスク

  • むし歯や歯周病が進行する
  • 口内炎や感染症が起こる
  • 食欲が低下し、栄養不足になる
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口腔ケアの基本

どんな人に口腔ケアが必要

  • 高齢者や要介護者
  • 寝たきりの方や、食事のときにむせやすい方
  • 自分で歯磨きが難しい方
  • 最期の時期を迎えている方

口腔ケアをするタイミング

  • 食後(特に朝食後・夕食後)
  • 就寝前(細菌が増えるのを防ぐため)

食事をしていない方でも、決まった時間にケアをすることで、忘れずに行え、生活のリズムも整います。

必要な道具

  • 歯ブラシ(柔らかめ)
  • スポンジブラシ(歯がない方や粘膜の清掃用)
  • 口腔用ウェットティッシュ
  • 保湿ジェル(口の乾燥防止)
  • 舌用ブラシ
  • うがい用のコップやスポンジ

口腔ケアの実践方法

歯がある場合のケア

  1. 柔らかい歯ブラシで、歯と歯茎の境目を優しく磨く
  2. 歯間ブラシやデンタルフロスを使い、歯と歯の間の汚れを取る
  3. 舌ブラシで舌を優しく奥から手前に磨く
  4. うがいをして仕上げる(うがいが難しい方はスポンジやウェットティッシュを使用)

歯磨きの順番を決めると、磨き残しが防げます
(例:下の右奥から左奥へ、次に上の右奥から左奥へ)

歯がない場合のケア

  1. 口の中をスポンジブラシやウェットティッシュで優しく拭く
  2. 保湿ジェルを使って乾燥を防ぐ
  3. 歯茎や頬を優しくマッサージし、血行を促進する
  4. うがいができる場合は、水や保湿剤入りの洗口液を使用する

入れ歯のケア

  • 毎食後に外して洗う
  • 就寝時は専用の洗浄剤に浸す
  • 装着前に歯茎や舌を清潔にする

介護者が気をつけるポイント

本人の状態に合わせたケアの工夫

  • 自分でできる方には、できる範囲でやってもらい、足りない部分をサポートする
  • 言葉が伝わりにくい場合は、「うがい」ではなく「グジュグジュペー」、「歯磨き」ではなく「シャカシャカ」など、わかりやすい言葉を使う
  • うがいをするときは、前かがみになれるようにサポートする
  • 水を使わずにできるケア(口腔用ウェットティッシュなど)も活用する

口腔ケアを嫌がる方への対応

  • 無理に行わず、タイミングを変えてみる
  • やさしく声をかけながら進める
  • 一度にすべてやるのではなく、部分的に少しずつ行う

歯科往診やクリーニングを活用しよう

定期的に歯科往診を受けることで、専門的なケアを受けることができます。特に、自分で口腔ケアを行うことが難しい方や、通院が困難な方にとっては、歯科医が自宅や施設に訪問し、適切な処置を行ってくれるため、非常に有効です。また、可能であれば歯科医院でクリーニングを受けることで、歯石の除去や口腔内の清潔を保つことができます。かかりつけの歯科医を決めておくと、万が一のトラブルがあったときに迅速に対応でき、安心してケアを続けることができます

まとめ

  • 口腔ケアは誤嚥性肺炎や口臭予防に役立つ
  • 歯がある場合、入れ歯の場合、歯がない場合、それぞれに合ったケアが大切
  • 介護者の負担を軽くする方法を工夫する
  • 歯科往診や定期クリーニングを利用し、かかりつけ歯科医を持つと安心

口腔ケアは、健康維持のために欠かせない重要な習慣です。最初は慣れないかもしれませんが、毎日の習慣にすることで自然にできるようになります。また、歯がない方、お食事を摂られない方にも口腔ケアは非常に大切です。無理なく続けられる方法を見つけ、本人と介護者双方にとって快適なケアを目指しましょう。

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